起業に学歴は必要か?
現在の日本は、日銀による金融緩和が続く中、「金余り状態」になっているとも言われています。
起業を志している人にはチャンスに満ちた環境とも言えるでしょう。
いざ起業するならば絶対に成功させたいものですが、起業への一歩を踏み出すにあたり、
「自分には大した学歴もないし、うまくいくだろうか」と不安を抱えている人もいるかもしれません。
しかし、そもそも起業に学歴は必要なのでしょうか?
「起業の成功」と「学歴の高さ」には相関があるのでしょうか?
根強い「学歴信仰」
日本は「学歴信仰が根強い」と言われることがあります。
「卒業した大学のブランド・偏差値を過大に重視する」という学歴信仰は、主に就職や転職、企業内の出世などに影響を与えてきました。
「有名大学を出た」というだけで、内定や出世に有利に働き、その後の人生の成功レベルがある程度決まってしまうこともあります。
最近になってその傾向は徐々に弱まりつつあるとも言われていますが、まだ日本社会の中に根強く残っているのも事実です。
起業に求められる能力とは?
しかし、こと起業に関して言えば、その成功と学歴とはあまり関係がないと言えます。
高学歴でも起業に失敗する人もいれば、学歴がなくても成功し、会社を成長させている人もいます。
なぜなら、起業の成功には、「問題解決力」や「行動力」「チームビルディング力」「情熱」などといった受験勉強の点数や偏差値では測れない能力が重要になるからです。
起業につきものである様々な困難や問題を乗り越えて、新しい価値を生み出していくためには、学校勉強的な頭の良さよりも、人とは違ったことを考え、行動し、やり抜く力が求められます。
学歴無しで成功した起業家たち
実際に、古今東西の成功した(している)起業家の事例を見てみると、いわゆる”学歴”とは無縁である場合も少なくありません。
たとえば、現在のパナソニック(旧松下電器産業)を一代で世界企業にまで育て上げた松下幸之助の最終学歴は「小学校中退」です。
最近メディアを賑わせているZOZOタウンの前澤友作氏も「高卒」ですし、GMOインターネットの熊谷正寿氏も高校を中退後に、父親の事業を手伝う中で起業を志したといいます。
世界では、あのウォルト・ディズニーも高校を中退していますし、イギリスのヴァージン・グループを率いるリチャード・ブランソンは「失読症」で、15歳で学校をやめています。
履歴書が”きれい”でなくても、ビジネスで成功することは可能だということがわかります。
最も重要なのは「信用」
もちろん学歴が全く役に立たないというわけではないでしょう。
受験勉強で培われる学習能力や計画性は仕事でも有用ですし、高学歴で起業に成功している人たちも数多くいます。
ただ、「学歴は起業を成功させる必須条件ではない」ということです。
起業の成功には、学歴よりも、上で述べたような「問題解決力」「行動力」「情熱」、そしてなにより「信用」が重要になります。
信用ある人のところには、人材や協力者、お金、情報が集まってきます。
「あの人は必ず約束を守る」「最後まで投げ出さずにやり抜く」
といった人間的な信用が起業の成功の後押しをしてくれるのです。
学歴があるかないかで悩むより、信用や信頼を集めていくために、自分の能力や人間力を地道に磨き、実績を積み重ねていくことを意識すれば、起業成功へのチャンスは広がっていくと言えるでしょう。