事業承継と起業
両親が何らかの形で起業している状態なら、幼い頃からビジネスに触れて来たと言えます。
そうした環境で過ごして来た若者には、企業以外に事業承継という選択肢が出て来るでしょう。
親の事業を引き継いでビジネスを始める人は意外と多いのです。
飲食店から部品工場まで、幅広い分野で事業承継は行われています。
さて、そんな事業承継と起業にはどのような違いがあるのでしょうか?
それぞれのメリットとデメリットに触れつつまとめて行きたいと思います。
事業承継と事業継承の違い
まず最初に、事業「承継」と事業「継承」の違いについて理解しましょう。
極めて似た単語ですが、ニュアンスが微妙に異なっているのです。
事業承継とは、経営者の理念や価値観、ビジネスを行う気概などを受け継ぐことを意味しています。
要するに目には見えない社長の経験を理解した上で、事業を引き継ぐことなのです。
一方の事業継承は事務的な意味合いが強いです。
資産の引き継ぎや経営者の名義変更、契約書の管理などが継承に該当します。
このように事業承継と事業継承では微妙に意味合いが異なっているので覚えておきましょう。
事業承継とは?
前述したように経営者の理念や価値観を引き継いだ上で経営を任されるのが事業承継です。
事業の内容や規模にもよりますが、3年から10年の引き継ぎ期間が必要だと言われています。
卓越した先見性を持っている経営者の場合、その能力を受け継ぐのは並大抵のことではありません。
だからこそ、じっくりと時間をかけて経営者が抱くマインドを学ぶのです。
この事業承継は非常に大切なことで、これを行わないと倒産リスクが高まるとされています。
なぜなら、事業が成功している本質を理解出来ないからです。
事業を引き継いでも、ちょっとトラブルが起こると立て直しが出来ずに会社が沈んでしまうのです。
事業承継と起業のメリット
事業承継のメリットは非常に多く、まずは既に操業している状態から始められるということです。
起業してから1年以内に無くなってしまう会社が多い中、ある程度操業している状態の会社が手に入るのは大きなメリットでしょう。
また、事業内容のノウハウから経営者の理念まで、一通りを引き継いでいるので安定したビジネスが行えます。
これに対して起業のメリットですが、1から会社を作る自由度の高さが挙げられます。
文字通り何も無い状態なので自分が思い描く企業を作ることが出来るでしょう。
ただし、1から会社を作るのは非常に大変なことで、ビジネスが軌道に乗らず倒産するリスクもあります。
事業承継と起業は経営者になる点では同じですが、内容はまったくと言ってよいほど異なるので注意です。
それぞれのメリットとデメリットを理解した上で、ビジネスを成功させられるビジョンがある選択を行いましょう。